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フォーラム案内
中斎塾フォーラムの活動内容

中斎塾創立5周年記念式典報告 (北関東フォーラム副代表幹事 栗原 利)
平成24年03月24日 
 平成二十四年三月二十四日、本日は中斎塾の創立五周年記念式典が湯島聖堂にて行われる日です。天候が生憎の小雨交じりで、皆さん予定通り着ていただけるか心配もありました。
 開催は午後一時からでしたが、それぞれ役割を担っている幹事の方々は、ミスがあってはならない想いからか、午前十時三十分からの朝礼には、ほぼ全員が会場に揃っていました。
 参加者数は当初の目標を大きく上回り、一四二名となりました。そのため会場となった講堂は、机を取り払って椅子だけの状態にセットし、入室可能な会場にしました。会場の設営や看板の取り付け等が終了した後は、各自、昼食です。私達は近くのうどんやさんで、猪瀬常任理事・比田井実行委員長・塚越副実行委員長ほか七名で、本日の式典で力が付くようにと「力うどん」を注文しました。
 十二時三〇分受付開始。天候の心配をよそに、続々と参加者が受付を済ませて会場入りです。参加費の徴収もありましたので受付係りは大変かと思いましたが、事務局の佐藤さん、深澤智恵子さん・文江さん、そして関口菊栄幹事が、会を重ねるうちに慣れてきたと見えて、てきぱきとこなしていました。
 総勢一四二名の参加者で会場は熱気にあふれ、満席の会場を記録写真を撮るために移動する際、歩く隙間が無く大変でした。

 定刻の一三時、いよいよ開幕です。
 今井理事の司会で開会宣言。比田井実行委員長の挨拶が済み、スケジュール通りに論語素読と続きます。福田理事の主導のもと、全員起立して声も高らかに論語を読み上げる様子は圧巻でした。
 素読の後はこれまた恒例の合吟です。初めに緑村吟詠会鉄砲州支部の方々により、陸游作の「山西の村に遊ぶ」が堂々と吟じられました。続いて北関東フォーラムと東京フォーラムの有志の方たちによる合吟です。まず塾長含め六名の北関東の有志は「静夜思」(李白)、東京は塾長含め七名の有志により「逸題」(逸名)が吟じられました。私も北関東メンバーの一員として吟詠しましたが、流石に緑村吟詠会の皆様と比べると格段の差があるものだと感じました。
 詩吟は深澤塾長が趣味で始められたお陰で、毎月開催されているフォーラムの後にご指導頂いています。靖国神社や明治神宮の奉納吟詠にも緑村吟詠会鉄砲洲支部中斎塾グループとして参加させて戴いており、こうして日本の伝統文化に触れる事ができたのは、誠に光栄なことだと思っています。

 続いて中斎塾顧問の石川忠久先生、安岡正泰先生にご挨拶を戴きました。公益財団法人斯文会理事長の石川顧問からは「本日開催されている此処の会場の大家です」と、笑いも交えながら、薀蓄のあるお話を戴きました。
 財団法人郷学研修所・安岡正篤記念館理事長の安岡顧問からは「中斎塾の未来は明るい」とお褒めの言葉を戴きました。

 いよいよ本日の基調講演。講師は株式会社イースクエア代表取締役会長で、NPO法人フューチャー500の理事長でもある木内孝顧問です。
 「私に、僕に何ができるでしょうか」というテーマで、環境問題も含め、最近の日本人の能力低下を熱く語り、「知足」の心で考え実行していく大切さを訴えていました。環境問題のスペシャリストである木内顧問の講話は説得力があり、七〇分という時間があっという間でした。自然を大切にし、文化に裏打ちされた美しい日本を後世に残すためには何をすべきか。「知足」と自然維持の考えから「MONEY RICH」より「LAND RICH」へ、という言葉が強く印象に残りました。
 また王陽明の教えである知行合一(実行の中にのみ学問がある。行動しなければ学問ではない)から、第一人称で原体験を語ろう、と私たちの未来に向けた指針を与えて戴きました。
 最後に「自然の掟・法則を二〇挙げてみよう!」という宿題が課せられました。
 木内顧問のお話は御歳七十七歳とは思えないほどのバイタリティーがあり、聴くたびに元気を戴ける有り難い講話です。

 休憩を挟み、深澤塾長の登壇です。「覚悟を決めましょう」と題して、五〇分間の講話をされました。
 覚とは「知らない事がはっきり分かること」、悟とは「心の迷いがひらけて目が覚めたようになること」です。これから天災・新型インフルエンザ等で自分の死を意識する時代が来ると。自給自足や自己防衛の重要性を強調されました。また、論語を現代に置き換えての講話は、参加者の誰にも分かりやすく理解できる内容でした。皆、熱心に聞き入ってメモを取ったりしていました。

 定刻どおり、猪瀬常任理事の閉会挨拶が終わり、大成殿に移動しての集合写真の撮影です。中斎塾の皆さんの心がけの良さでしょう、雨もすっかり上がり晴れ間も見えてきました。いつもの合同フォーラムは一〇〇名弱なので一四〇名を超す人数での撮影は心配でしたが、野村幹事に補助を頂いたお陰で、まずまずの出来で撮れていてほっと一安心です。

 記念フォーラムの後は、ホテル聚楽に会場を移しての懇親会です。八六名の方に参加戴き、澤浦幹事の司会進行で開催となりました。
 大野参与から挨拶を頂戴し、塚越副実行委員長の音頭で乾杯、しばしの間、用意されたバイキング形式の料理に舌鼓を打ち、飲み物で喉を潤しました。
 ほどなく、歌のゲスト、優太朗さんによる歌と踊りのステージが開幕。優太朗さんは二松学舎大学の塾長の後輩であり、中斎塾フォーラムの購読会員さんです。多才な方で、舞踏では藤間流の名取、また埼玉大学教育学部付属中学校の教師として教壇に立っているという異色の歌手。歌とトークも交えた楽しい舞台でした。特に中国北京大学の留学経験から、流暢な中国語の歌は観客を魅了し、石川忠久先生も教え子の歌に楽しそうに聴き入っておられました。
 優太朗さんのステージを楽しんだ後は菅野参与からご挨拶を戴き、清水幹事の閉会挨拶で、一八時にはお開きとなりました。
 お客様をお送りして、最後に中斎塾の理事幹事を集めて、比田井実行委員長から労いの言葉と、中斎塾が十周年二十周年とますます発展するようにとの願いをこめた万歳で本日の全スケジュールを終了しました。